素材やパーツにこだわって選ぶ
ロッドの素材(ブランクという)に何を選ぶかでロッドの性能は変わります。
ブランクの弾性率の違いでアクションや張りが変わり、魚の乗りや操作性が変わります。
ロッドブランクの種類
大別すると、メインに使用される素材はカーボン(グラファイト)とグラスです。
現在、多くのルアーロッドのブランクはカーボン素材が使われています。
カーボン製のロッド
カーボンは炭素素材で、特徴は軽く、反発力があり、高感度だというです。
カーボン製のロッドが世に出回りはじめたのは1980年代頃からです。
それまで主流だったグラスの軟らかさに比べ、軽さとシャッキリ感が別次元のロッドと思わせました。
弾性率(変形しにくさ)の違う素材の使い分けで、粘り強いか、張りが強いかをコントロールします。
グラス製のロッド
グラスはガラス繊維で作られており、特徴は粘り強いことですがカーボンに比べると重いです。
カーボンロッドが登場してからは衰退したものの、「乗りの良さ」はカーボンロッドより上です。
管理釣り場用ロッドは短いためにあまり持ち重りしないので、グラス製のロッドも人気があります。
ただし感度はカーボンロッドに劣るので、釣り味という点では物足りないかもしれません。
現在は素材や製法が向上し、グラス素材でもカーボンの特性に近づけたロッドも出ています。
ガイドリングの種類
現在もっとも多く使われているのが「SIC」といわれる素材です。
SIC製のガイドリング
SICとは「シリコンカーバイト」という素材でできており、その頭文字を略しています。
ダイヤモンドの次に硬い素材で、熱伝導率が低いのが特徴です。
現在、なぜこの素材がガイドリングの主流なのかを説明します。
ルアーフィッシングの最中、ガイドリングはつねにラインとの摩擦が起きています。
水面を出たラインは、水面に浮いたゴミや空中のチリや砂などをラインに付着させています。
キャストやリトリーブを繰り返していると、知らないうちにガイドを傷付けているのです。
ですので、ガイドリングには硬さが必要であり、SIC製はその条件を満たしているのです。
もう一つ考えなければいけないのが摩擦によって起こる「摩擦熱」です。
魚とのファイト中、強いテンションでラインはガイドと摩擦を起こして熱を発生します。
その摩擦熱が分散されなければ、熱に弱いラインはラインブレイクを起こしてしまうでしょう。
SIC製ガイドリングは熱伝導率が低いため、ラインブレイクしにくい素材なのです。
しかし、SIC製ガイドにも「重さ」と「割れやすさ」という欠点がありました。
これについては、肉厚を薄くしたり、ガイドフレームの素材の改良などで欠点を補っています。
ガイドフレームの種類
現在は「チタン製」と「ステンレス製」が主に使われています。
チタン製のガイドフレーム
現在、もっともフレーム素材として優れているのがチタン製です。
特徴は、軽くて強度もあり、腐食性に優れていることですが、高価です。
高級ロッドには、ほとんどチタン製ガイドリング+SICリングが付いています。
ステンレス製のガイドフレーム
チタン製が登場するまでは、ステンレス製のフレームが主流でした。
現在でも、中級ロッドにはステンレス製のガイドフレームが取り付けられています。
特徴は、強度があり、腐食性に優れ、安価なことですが、チタン製に比べると重いです。
腐食性に優れるといっても、海水を浴びたまま放置すると錆びます。