ルアーロッドを深く知る。ロッドと自分の追及する釣りをマッチさせるために。
ルアーロッド選びの概要は、ロッドの選び方で説明したとおりです。
候補として選んだロッドからさらに絞り込むには、素材やパーツなどの情報を調べたくなるものです。
ロッドのブランク(素材)
ロッドのメインブランクに使用される素材は大きく分けて「カーボン」「グラス」の2種類です。
他にはバンブー(竹)を使用したロッドや、ボロン素材をロッドの補強用に使用したものもあります。
カーボンの特徴は、強い(引張弾性率が高い)、強いので肉薄にできるため軽い、高感度であることです。
その反面折れやすく、炭素であるため通電しやすいので、高圧線付近の釣りなどでは注意が必要です。
現在では、ルアーロッドを含めた釣り竿のほとんどがカーボンをメインブランクにしています。
グラスの特徴は、折れにくく粘り強い、しなやかなことです。
強度、軽さ、感度はカーボンに劣るものの、食い込みやすさ、バラシにくさはカーボンより優秀です。
軽さ、操作性という面からみて、グラスをロッドのメインブランクとして使用することは少ないです。
現在では、バス用の巻き物系ロッドや、ティップ部分のみに使用するなどの用途が多いようです。
最近はグラス素材の改善が進み、以前よりも軽く、高感度のグラス素材も出ているようです。
ロッドの性能は、ブランク(素材)が同じであれば性能も同じというものではありません。
カーボン素材といっても、16t、30t、40t、60tなど引張弾性率の違う素材の種類があるのです。
ちなみに、引張弾性率の低い(低弾性)方が柔らかく、数値が高く(高弾性)なるにつれ硬くなります。
ロッドブランク(素材)は、紙のようなカーボンシートを巻きつけることによってロッドの形に仕上げます。
カーボンシートをマンドレル(芯金)に何層にも巻きつけ、加圧しながらテーピングしてオーブンで焼きます。
オーブンで焼かれたカーボンシートは、シートにもともと含まれているレジンにより接着されます。
ロッドを見るとわずかに横筋が見えますが、それはカーボンシートを巻いたときにテーピングをした跡です。
この部分が各メーカーの差別化であり、ロッドの設計者や開発者の腕の見せ所というわけです。
ロッドのブランク(素材)は、価格にも関係があります。
カーボンシートは高弾性のものほど単価が上がるので、高弾性ブランク使用のロッドは高価になります。
ロッドのガイド
ガイドとは、ドーナツのような形でガイドフレームと一体になっており、その輪の中をラインが通ります。
キャストからリトリーブまで、ルアーフィッシングすべての動作の中で常にラインと接触している部分です。
現在出回っているガイドの素材は、主に「SIC」「ゴールドサーメット」「ハードリング」の3種です。
ルアーロッドへの装着率が高く、硬度、放熱性、すべりの良さなどで高性能なのが「SIC」製のガイドです。
ガイドは常にラインと摩擦が起きています。魚とのファイトなどで強い摩擦が起こると熱が発生します。
この熱の発生が、ラインとガイドの両者に悪い影響をおよぼします。
ラインは熱に弱い素材でできているので、熱が発生すると強度不足や最悪の場合ラインブレイクします。
ガイドも、摩擦熱やラインに付着した微粒子などによって擦られ、最悪の場合は溝ができてしまいます。
このように、ガイドは常に過酷な条件にさらされており、高い硬度や放熱性や求められているのです。
現在、国産メーカーの中級グレード以上のロッドであれば、ほとんど「SIC」製のガイドが装着されています。
「SIC」ガイドにも弱点があり、その硬さゆえに起こる「割れ」や「重さ」という問題がありました。
それらは、一体成型構造フレームの進化や薄肉化、チタンフレームの採用などで克服されてきました。
ルアーロッドを購入する際は、「SIC」ガイドの装着されたロッドを購入すれば、間違いありません。
ガイドのフレーム
ガイドのフレームとはガイドと一体になっており、ロッドに固定されガイドを支えている部分です。
ロッドガイドと共に、ロッドを構成する重要なパーツの一部です。
フレーム素材は、主に「真鍮」「ステンレス」「チタン合金」などの種類があります。
中級グレード以上のロッドには、「ステンレス」や「チタン合金」のフレームが使われています。
フレームに求められる性能は「硬度」「軽さ」「耐食性」などです。
ステンレスフレームは硬度こそチタン合金を上回りますが、それ以外の性能はチタン合金が上です。
現在はロッドの軽量化が進み、チタン合金のガイドフレームの需要が高くなってきています。
優秀なチタン合金ですが、単価が高いのでチタン合金製フレーム使用のロッドは高価になります。
また、フレームに強度が欲しいという理由で、あえてステンレスフレームを使用するロッドもあります。
最近はPEラインを使用する釣りが増え、フレームの「糸絡みにくさ」という部分にも注目されています。