サクラマスの生態
アングラーである私の経験とサクラマスの文献から、サクラマスの生態について調べてみました。
サクラマスとヤマメの違い
私たちのターゲットであるサクラマスは、ヤマメの仲間だということはご存知だと思います。
そのヤマメも、一生を淡水で過ごすタイプと、一度海に下って再び遡上するタイプに分かれます。
一生淡水で過ごすタイプがヤマメ、海に下るタイプがサクラマスというわけです。
生物学的に見るとサクラマスとヤマメは同種のようです。
陸封型の個体をヤマメと呼び、ヤマメの降海型をサクラマスと分けて呼んでいるようです。
ダムなどにより海まで下れないタイプのサクラマスもいて、それらは湖沼型といわれているようです。
本州北部の陸封型のヤマメはそのほとんどがオス、サクラマスはその多くがメスともいわれています。
サクラマスの分布
釣りの話題なることが多いのは、関東以北の太平洋側と日本海側に住むサクラマスでしょう。
サクラマスの生涯
秋に上流域でサクラマスのメスとヤマメのオスがペアになって産卵します。
地域によりばらつきがありますが、産卵は10月ごろのようです。
12月ごろ孵化して1~1年半を川で過ごし、2歳魚になった年の3~4月ごろに海へ下ります。
海に下るヤマメは体が銀白色になり、釣り人からは銀毛やシラメ、ヒカリなどといわれます。
海に下った後は、オホーツク海方面を回遊しながら約1年海で過ごすようです。
3歳魚となった年明けから6月の間に川を遡上します。
海に下ってからの行方は、個体によってばらつきが大きいようです。
すべての個体がオホーツク海まで行くわけではないようで、河口付近や沿岸で暮らすも個体もいます。
その違いは、育った環境や先祖からの血統などによる影響が大きいようです。
オホーツク海から戻ってきた個体は最大で70センチ、10キロにもなるものもいます。
一方、日本の沿岸で暮らしたサクラマスは、全長40~50センチと小さめのようです。
また、海まで行かずに戻ってきてしまう個体もいて、釣り人からは「戻りヤマメ」などといわれています。
「戻りヤマメ」は見た目はサクラマスですが、全長30~40センチと小型のため区別できます。
サクラマスはエサを食うのか、食わないのか
釣り人の間では「遡上したサクラマスはエサを喰わない」というのが定説でした。
しかし、エサ釣りでもサクラマスは釣られていて、なんとも納得しがたい定説です。
そこで、面白いコラムを紹介します。
釣具メーカーの「スプリーモ」さんのサイトにあるコラム「サケマス科学」。
作者は、バイオテクノロジーを研究している、「さくだいおう」こと佐久間誠氏。
なんとこの方、「世界ではじめてサツキマスの餌付けに成功」した方なのです。
コラムには、「サツキマスは遡上後でもエサを食う」とはっきり書かれています。
エサを食わない原因は、産卵が近い個体や「白点病」などの疾病によるものだといいます。
「遡上後のエサ食い」について興味がある方は、いちどコラムを読んでみると面白いですよ。
スプリーモ / supremo
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