Abu(アブ)カーディナルの魅力

Abu(アブ)カーディナルの魅力

ルアーフィッシングをされている方なら、「アブ・ガルシア」という名前は一度は耳にしたことがあるでしょう。

アブ・ガルシアは、1921年にスウェーデンで懐中時計などの製造会社として創業しました。
創業当時の社名は「ABウルファブリケン」でした。 1978年にアメリカの釣具製造会社のガルシア社を吸収合併して、現在の社名「アブ・ガルシア」となりました。

アブのリールといえば「アンバサダー」を思い浮かべる人が多いと思いますが、今回の話題はスピニングリールの「カーディナル」の方です。 特に、ベテラントラウトアングラーが好んで使う「カーディナル3」や「カーディナル33」についてです。

カーディナル3や33がカタログに初登場したのは、1975年の事だといいます。
リールのタイプとしては、インスプールタイプでリアドラグ式のリールです。
最新の糸ヨレ防止機能などあるはずもなく、糸絡みしないベールの形状でもなく、ハンドルのガタツキも現在のリールとは比べものにならないくらいあります。
それでも、このリールをいまだに愛用し続けてているトラウトアングラーが確実にいます。

私は、このリールの存在は知っていましたが使ったことはありません。
なぜなら、「巻きの軽さ」「ドラグ性能」「糸ヨレ」「軽さ」「感度」などの評価のどれを比べても、今のリールの性能の方が上だと思っているからです。
本流ルアーのDVDなどでカーディナルを使っているところを見たところがありますが、ハンドルを回せばカリカリ音はするし(1980年ごろはそれが普通)、 ルアーの飛距離やドラグ性能を見ても、確実に今のリールの方が使いやすいように見えました。

しかし、カーディナル愛用者の方々に言わせると、カーディナルでなければ満足できない点があるというのです。 それは、「サミングのしやすさ」と、「ミノーのリップが水を噛む水圧を感じる感度」の2点です。

サミングのしやすさは、現在のリールのスプール径よりも大きいことが理由かもしれません。
とにかく、指でスプールを探さずとも自然にサミングができてしまうので、キャストコントロールがしやすいのです。

ミノーのリップが水を噛む水圧を感じる感度は、ウォームギアのなせる業なのです。
ウォームギアは現在のリールと比べると巻き上げ効率が悪く、巻きも重いです。
しかし、耐久性と感度については抜群に良く、特に感度については微妙なラインテンションを感じることができます。

以上2点の良さに惚れ込み、カーディナル愛用者はカーディナルを手放せないようです。 それ以外の機能については、間違いなく現在のリールの方が上だと思います。
カーディナルが現在のリールの性能に劣る点は、糸がヨレる、スプールの後ろ側にラインがたまる、ルアーの飛距離が出ない、巻きが重い、ベールは手で返す、ドラグの効きが悪い、などなど数多いです。
ベテランはリールの進化と共に成長していますので、これらの現象に対応できるスキルがあります。
ですので、多少のトラブルは「仕方ないな」と諦めて、あまり苦にならないのでしょう。

現在のリールに慣れてしまった方はカーディナルを使うと違和感があるかもしれません。
しかし、サミングと感度についてはずば抜けて高い性能ですので、興味のある方は復刻版を買って試してみるといいかもしれません。