ナイロンラインを劣化、強度低下させるさまざまな要因

ナイロンラインを劣化、強度低下させるさまざまな要因

あなたは、ナイロンラインの劣化について考えたことがありますか。

ナイロンラインとは別名「モノフィラメントライン」とも呼ばれています。
ペレットという樹脂の粒を溶かし、一本の糸に長く伸ばしたものをそう呼びます。
世にナイロンラインが登場したのは戦後間もなくといわれ、現在でもルアーフィッシングにはなくてはならないラインです。

一日中釣りをしていると、こんな経験をしたことはないでしょうか。
ラインの結び目が軽く引っ張っただけで切れたり、根掛かりを外すときにあっけなくラインブレイク。

ナイロンラインは安価で扱いやすいラインなのですが、吸水性が高く耐磨耗性が低いラインなのです。
また、紫外線にも弱いので、日差しの強い場所で釣りをしていると強度が落ちてしまうのです。

では、ナイロンラインはそれらの要因でどれぐらい劣化するものでしょうか。

吸水性が高いため、強度が低下する

ナイロンラインは、水を吸いやすい性質を持っています。
真水に24時間漬けた場合、ラインにもよりますが5~10%強度が低下するというデータもあります。

しかし、吸水するとしなやかになるため、リールによくなじむなど良い面もあります。
吸水性を下げるために、メーカーではライン表面をコーティングするなど処置をしています。

ラインのささくれがラインブレイクの致命傷に

ナイロンラインは、フロロカーボンと比べると耐磨耗性が低いです。
ストラクチャーが多い釣り場では、マメにラインをチェックする必要があります。

ナイロンラインは、少しでもラインに傷が入るとガクッと強度が落ちます。
フロロカーボンの場合は、ラインにささくれができていても極端に強度が落ちることはありません。

フロロカーボンがリーダーによく使われるのは、耐磨耗性が高いからに他なりません。
ナイロンラインの耐磨耗性を上げる方法としては、先端をダブルラインにしたり、滑りをよくするスプレーをするなどの対策があります。

紫外線はナイロンラインの敵

太陽などからくる紫外線は、ナイロンラインに大きなダメージを与えます。
これは、意外に気付いていないアングラーも多いのではないかと思います。
半日ほど紫外線を当て続けた場合、強度が半分にまで落ちたというデータもあります。

紫外線は太陽の光だけではなく、室内の蛍光灯でも紫外線を浴びています。
つまり、ショップに並んでいる新品状態からラインの劣化が始まっていることを意味します。
紫外線対策としてメーカーでは、ラインの原料にUVカット素材を混ぜたり、ラインをコーティングしたりしています。

ナイロンラインの弱点を知り、今後の釣りに役立てよう

ざっと上げただけでも、ナイロンラインを劣化させる要因はこれだけあります。
同じナイロンラインでも価格の高いものと安いものが存在しますね。
価格の差は、これらの要因を克服するための技術料と考えてもいいと思います。

ナイロンラインは、今後もルアーフィッシングを中心にメインラインとして存在し続けるでしょう。
ラインの特性を知り、弱点を補ってうまくナイロンラインを使いこなして下さい。